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地方議会選挙前のバグダッド

イラク事業担当 原 文次郎
2009年2月 6日 更新

1月31日に迫った地方議会選挙を前に、バグダッド市民の声をヨルダンから聞きました。
 
「2005年の前回の選挙で選んだ候補者は何もしてくれなかった。水も電気も、食べ物も、暮らしを良くしてくれるようなことは何も進んでいない。また投票に行っても、選ばれた政治家は復興のお金を自分の懐に入れるような奴らだ。投票に行くのに気が進まない」

「政治に宗派の影響が強まり、宗派につがなる民兵勢力が闊歩した2006年以来の動きにはあきあきした。選ぶなら宗派色の強くない政治家を選びたい」
(バグダッド在住の報告者によれば、発言者の宗派を問わず共通する意見で、クルド人や少数派のキリスト教徒も同様の意見が多いとのこと。)

「今の政権与党のマリキ首相の勢力は(シーア派政党ではあるが)宗派色が強くないので良い。これに次いで、元首相のアル・アラーウィの率いる世俗派政党の人気が高い。」

「治安が良くなったのは今のマリキ首相のおかげだ。今のところでそういう結果を出したのはマリキ首相だけだ。彼に投票する。だけれども、この先がどうなるかは誰にもわからない」

「私の聞いたところでは、マリキ首相の与党に投票するか、世俗派政党に投票するとの声が多い。ただし元から強い宗教的な信念がある人は自分の宗派に近い政党を選ぶ」

「どの政治家が何をしてくれるなど、わかったものではない。政策では選べずに結局、自分の部族とか親族に近い筋から選んで投票するのが大半なのではないか。」
――バグダッド市内には候補者のポスターがそれこそ千や万の単位で乱立している状態だという。

一般的には市内の治安は良くなってきたとされるが、それでも「きょうは自分の通ってきた道で、自分が通った数分後に路上爆弾が爆発した。後から警戒のイラク警察がびびって銃を乱射するものだから、市民で撃たれる者が出た」などという物騒な報告もある。また、候補者の暗殺などの事件も起きている。

件数がそれほど多くはないがポスター貼りの作業員を狙った爆破事件なども起きており、実際に選挙が始まってみるまでは予断を許さない状況とも言える。

バグダッド市内の風景(1月27日に受信)バグダッド市内の風景(1月27日に受信)