昨年10月-11月にかけ、イラク西部のアンバール州で戦闘が激しくなった時に、ユーフラテス河上流のシリア国境近くの町アナの診療所に緊急支援物資として医薬品を送りました。

これらの郊外の地域では、集中的な戦闘は今は一段落していますが、アンバール州の中心都市のラマディやファルージャでは今でも散発的な戦闘が起きているなど、不安定な治安状況は市民生活にも今も影響を及ぼしています。緊急支援を実行に移す時に現地での輸送手配などでお世話になったファルージャ在住のAさんから最近の様子を伝えるメールが届きました。(2月8日付け)
「アンバール州は多国籍軍とイラク政府の圧力のもと最悪の状態にさらされています。総合病院には全く医薬品がないということを想像してみてください。私はいくらかの薬液を届け、Eさんは医薬品を買い求めています。病院がこれではやっていけないことはわかるでしょう。一体誰が面倒をみるのでしょうか。
軍事作戦の状況は今やますます込み入って来ていて多国籍軍やイラク軍はさらに多くの兵士を失っています。彼らは仕返しに街を回っては人々を殴り、これらの人々に汚い言葉を投げつけ、逮捕し、時には殺しさえします。一方、これに対するに、抵抗勢力の人々は自動車爆弾や道端の仕掛け爆弾や、狙撃手による射撃で激しく応戦しています。
ファルージャ市内への立ち入りに際しては、立ち入り許可証のバッヂを手に入れるために様々な制約があります。私の一年間有効の許可証は期限切れになったので、更新しなくてはならないのですが、これは苦痛を伴い、ひどく疲れる作業になります。というのは、何日間にも渡って6時間待ちの列に並ばなくてはならないのですから。係員はそのつど最初から質問を繰り返し、どうやって決定が下されるのか誰もわからないのです。問題なのはこれがすぐに片がついて終わるとはとても思えないことです。
経済状態は価格の高騰と高まる失業率によって急速に暴落に向かっています。燃料の価格(の高騰)が人々の生活にひどい影響を及ぼしています。一方で、数千もの孤児たちが放って置かれています。私たちは食事や最低限の衣服だけでも支援してあげる方向がないか手を尽くしています。教育をどうするかはまた長い苦痛を伴う話になります。」