
10月26日より29日まで、JCF(日本チェルノブイリ連帯基金)から神谷さんと小児科医の松沢先生の2名がアンマンにお越しになり、日本からバグダッドの2箇所の病院への寄付の物資を運んで来られました。これが JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)を通しての初めての支援物資の寄付となります。これを受けて、早速アンマンよりバグダッドへの輸送の手配を行いました。
第1便: 10月29日夜アンマン発30日バグダッド着
4輪駆動車(GMC)2台貸切り(貨物専用)
(1)子ども福祉教育病院向け機器
顕微鏡+モニター一式
=>10月30日病院納入完了
(2)セントラル小児教育病院向け機器
顕微鏡+モニター+遠心分離機の一式
=>後から送った薬品と合わせて11月3日病院納入完了
第2便: 10月30日アンマン発31日バグダッド着
4輪駆動車1台貸切り(貨物専用)
(1)子ども福祉教育病院向け薬品
G-CSF 150個
染色キット 5個
(2)セントラル小児教育病院向け薬品
G-CSF 250個
染色キット 5個
=>以上を冷却材入りの低温保存箱5箱で冷蔵輸送。医師の
了解のもと、まとめて全数を子ども福祉教育病院宛てに
送付。(11月1日病院納入)
セントラル小児病院向けは病院から小分けにして送付
これに加えて、セントラル小児教育病院のジャファー先生から緊急要請のあった薬品をアンマンで調達してJVCより寄付しました。
第3便: 11月1日アンマン発11月2日バグダッド着
4輪駆動車1台(他のローカルのお客様を運ぶ車に載せる)
セントラル小児教育病院向け
(抗ガン剤の 6MP 100個と ATRA 2箱)
=>先に送って営業所留め置きにしておいた第1便の機材と
合わせて11月3日に病院納入完了
アンマン-バグダッドの間の輸送は陸路で、イラク国内の高速道路10号線はラマディとファルージャを通過します。この間の輸送に今までは支障がありませんでしたが、今回の輸送では、第2便のGMC1台が米軍の車両を狙ったと思われる攻撃に巻き込まれました。結果的には無事に荷物の薬品は届き、その後4日にはバグダッドからアンマンへの便で送られてきた病院からの薬品の受取証と空の低温保存箱を受け取りました。
【事故の経過】
前夜23時に荷物を載せてアンマンを出発した車は31日10時頃に高速道路のアブグレイブ付近(ファルージャ-バグダッド間)を走行中に、後方を走る米軍トラックを狙って路上に置かれていた爆発物に遭遇。
最初に後方約50mを走行中の米軍トラックが爆破される。この爆風でGMCの後部ガラスが壊れ、後部車輪がパンク。これで動けなくなり、停車したところ、数分後に前方20mほどで2度目の爆破が発生。これによりフロントガラスを含め6枚のガラスが破損。荷物は無事。運転手が電話で仲間のGMCを呼び、荷物を積み替えてバグダッドまで輸送。予定より2時間遅れながらも到着。病院の営業時間を過ぎたため、医師と連絡を取り了解の上翌日に納入。
第3便はこの日、31日の夜にアンマン発で送る予定でしたが、この事故の発生を受けて大事を取り、翌日1日の夜の発送に変更しました。
途中の道路状況についてはその都度輸送会社のイラク人社長と連絡を取って確認していますが、今後米軍によるファルージャの攻撃が激化するに連れて、輸送の安全を確保するのが難しくなると予想されます。