JVCの緊急救援第一弾であるファルージャからの避難民への支援がほぼ終了しました(おかげさまで一週間で約100万円が集まりました)。当初は4日で終了する予定でしたが、4箇所のバグダッドのモスクに食料や医薬品を運び込むのに6日かかりました。
初日(17日)は、500家族分相当の抗生剤などの医薬品をカーク地区のスーファモスクに届けました。ここにはイラク赤新月社の野戦病院が作られています。19日は同じモスクに食料などをやはり500家族分届けました。20日〜24日の4日間はべつの3箇所のモスクに食料を配給しました。これで合計1040家族に一週間分の食料が配給されることになります。

1家族あたりの目安
米 3kg
砂糖 3kg
小麦粉 3kg
油 2リットル
トマトペースト 2缶
紅茶 1kg
石鹸 2個
洗剤 1箱
すでにUNHCRは、毛布3500枚、マット1200枚、緊急衛生キット5つ(5万人以上に対応)、ストーブ500個、ビニールシート500枚を用意しています。これらの救援物資とあわせてJVCの支援分が配られたことになります。
緊急救援第2弾を準備

今ヨルダンのアンマンでは、NCCIに加盟している国際NGOが頻繁に会議を開いています。現場からのニーズを出来るだけ正確に把握し無駄のない援助を行おうと必死になっています。いくつかのNGOはイラク人スタッフがファルージャやバグダッドで活動しているので、衛星電話を使用して頻繁に現地と連絡を取っています。ファルージャでは停戦が続く中でも散発的な衝突が続いています。InterSOSの情報では、バグダッド西部では26日までの時点で1,000家族以上(InterSOS推定で人口にして8千人以上)のIDP(国内避難民)がいます。問題なのはこれらのIDPが増える一方で減る見込みがないことで、これは帰還できないこと、最終受け入れ先が決まらないこと、更にファルージャから新たに脱出する者が増えていることの結果です。
一方でナジャフでも衝突が起こり、アメリカは6月末の政権移譲がうまく行えるように反米勢力を徹底的にたたくつもりです。そのためここしばらくは治安が良くなる見通しはありません。すでにいくつかのNGOはイラク全土が緊急状態になることに備え、救援体制を整え始めています。JVCでは、従来続けていた白血病患者への医療支援も滞ることなく続けるとともに、国際NGOを通したファルージャおよび他の地区への緊急救援活動も引き続き行うことになりました。
援助の中立性

NCCIでは、援助の中立性を重要視しています。たとえば救援物資には一切団体を表すようなステッカーを貼らないようにとのアドバイスがあります。これは、シールなどは簡単にはがされて転用される恐れがあるため、武装集団などが援助物資に見せかけて武器などを運ぶようなことを防ぐためです。また、米軍の救急車への攻撃や病院の占拠といった国際人道法やジュネーブ協定に違反した行為も目立っており、これに対してNCCIでは抗議のためのプレスリリースをおこないました。詳細は追ってこのHPでお伝えします。
JVCは日本政府の対イラク政策とは異なり、国益によらない、中立的な立場での人道支援を目指しています。現在イラクのプロジェクトに関しては日本政府からのお金はいただいていません。欧米のNGOにも、連合軍に参加している国からのお金を取らないという方針を打ち立てているところもあります。今回の実施団体となったイタリアのNGOであるInterSOSはイタリア政府からの援助は受けない方針です。スペインのNGO、MPDLもスペイン政府からの援助は受けていませんでしたが、政権交代によって軍の撤退を決定したことで今後は方針を変えていくそうです。
この支援活動に、一般の方からのご協力をお願いしております。
郵便振替: 00190-9-27495
加入者名: JVC東京事務所
通信欄: 『イラク・ファルージャ』とお書きください。