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白血病の子、死亡を確認

2003年9月25日 更新

JVC中東チームは9月23日、イラク出身の2名の子どもの死亡を確認した。

1名はラナ・ジャマル・サバ。モスル出身。今年1月より白血病をわずらい、バグダッドのマンスール教育病院に入院していた。中東事業担当の佐藤が1月27日に病院を訪問し、彼女に描いてもらった絵が話題となり、イラク戦争前にワイドショーなど3本のテレビ番組等で紹介された。
また、7月4日に発売された岩波ブックレット「子どもたちのイラク」でも、ラナさんの描いた絵と写真が紹介された。

彼女に、出来上がった本を届けようと探していたが、2月3日にすでに、病院で死亡していたことが今回判明した。
バグダッド現地駐在の原文次郎は以下のように語っている。
「残念ながら、ラナさんは急性白血病の進行が早く、今年の2月3日にマンスール病院で亡くなったとのことです。ドクターが彼女のカルテを見せて下さいました。モスルのご家族のお名前、住所など教えて頂きました。『子どもたちのイラク』の彼女の登場する部分を読んで、思わず涙しています。」

一方、サダム政権崩壊後に迫害を逃れてヨルダンに逃げてきたパレスチナ難民のムハンマド・アユーブ君は7月に白血病であることが判明し、ルウェイシェッド難民キャンプからアンマンのアマル病院へ入院していた。8月5日には吉野都看護師と石垣ボランティアが病院を訪れて、ムハンマド君を見舞っている。

アマル病院に確認したところ、ムハンマド君も8月19日になくなっている事が判明した。ムハンマド君の場合は国連からお金が出ず新聞記者などが騒いだ効果があり、ヨルダン政府が治療費をカバーすることになった。ヨルダンの最新の治療を受けたにもかかわらず残念な結果になった。改めて白血病の恐ろしさを思い知る。

佐藤のイラク入り決定

佐藤が9月26日にもイラク入りすることが決定した。今回の目的は、急遽マンスール教育病院から要請があった白血病の治療薬を届けることだ。在庫が切れてどうしてもイラクで買えない薬があるという。

「ラナさんの件は残念です。私が彼女に会ったのが1月27日でした。そのとき硬く鉛筆を握り締めて、力強く自画像を描いてくれた。元気そうに見えたのですが、最後の力を振り絞って描いてくれたのかもしれません。残念なことに、その時の絵が紛失してしまった。ラナちゃんにもう一度会って謝ろうと思っていたし、出来上がった『子どもたちのイラク』を届けたかった。われわれの届ける薬で子どもたちが少しでも助かればいいと思います。」(佐藤)

今回はモスルにも行き、遺族に「子どもたちのイラク」を届けるとともに、白血病で苦しむ患者の家族たちにもどのような援助が必要なのかを調査する予定。

ラナさん・ムハンマド君について

ラナさん (イラク・ヨルダン現地情報 No.5)
「マンスール病院に医学書を届ける」

ムハンマド君 (イラク・ヨルダン現地情報 No.48)
「もうひとつの闘い(灼熱のルェイシッド難民キャンプ)」