\n"; ?> JVC - ルウェイシェッド難民キャンプの近況 - イラク・ヨルダン現地情報

ルウェイシェッド難民キャンプの近況

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2003年8月28日 更新

ヨルダン政府は、現在難民キャンプにいる822人のパレスチナ難民に関して、一部ヨルダン国内への受け入れを表明した。24日サミル・ハバシュネ内務大臣が難民キャンプを訪問し、ヨルダン国籍の妻をもつ66家族の受け入れを表明した。これで約386人がヨルダン国内に移動する可能性がでてきた。

一方で「ヨルダンはこれ以上の難民を受け入れるつもりはない」とも述べており、残りの難民に関しては、国連とヨルダン政府とで協議を続け、決着がつき次第、キャンプは閉鎖されるという。また、イラクからの第三国籍(主にスーダン、ソマリア)難民180人に関しては、35人のスーダン人と31人のソマリア人が難民認定を受けた。この件に関して認定されなかった人達の怒りが爆発し、一部キャンプの入り口でハンガーストライキを行う人達も出ている。

8月25日、キャンプの図書館の打ち合わせのために車でルウェイシェッド難民キャンプに向かった。ところが途中で車がオーバーヒートしてしまい、砂漠のど真ん中で立ち往生する羽目になった。もっていた飲料水などすべてをラジエーターに入れて冷やそうとするがうまく行かない。とうとう水も尽きた。そんな折りしも小型トラックが追い越そうとしたので水を分けてもらうことにした。
親切なヨルダン人は、妹が難民キャンプにいるので迎えに行くという。嬉しそうだ。その後私たちの車は完全に故障し、エンジンがかからなくなってしまった。仕方なく車を乗り捨ててヒッチハイクをする羽目になった。

荷物をまとめて出て行く人達荷物をまとめて出て行く人達

ルウェイシェッド難民キャンプの入り口には何台かの車が出迎えに来ていた。キャンプの中にも数台の車が入り、テントの中身を車に詰めている人達がいる。
「嬉しいわ!王様のおかげよ」
とはしゃぐ中年の女性。いくつかのテントはすでに空になっていた。
UNHCRのダウリ氏によると、一日で30名がキャンプを出たという。

一方で外に出られない人もいる。
「どうして私たちは、ヨルダンにいけないんだ。」
怒りがこみ上げてくる人達。
いくつかの家族は、テントの横に畑を作ってとうもろこしやヒヨコマメを植えていた。砂漠でも水さえやれば、植物が育つ。
「もう、イラクには戻れない。パレスチナはイスラエルに占領されているから故郷に戻るのは不可能だ。できればヨルダンに行きたい」
パレスチナ難民の意見はほとんど同じだ。

JVCは8月12日、難民キャンプで図書館活動を開始した。すでに500冊の本を購入し、キャンプの情勢を見ながら拡大を考えている。キャンプの人達が何らかの形でキャンプから出て行くことが好ましい。一方で残された人達の焦燥感は、さらに高まる。そのあたりをどうケアしていくかが問われる。9月からは本格的に子どもたちのワークショップを行う予定だ。

キャンプから出て行く見通しのない人達は畑を作り出したキャンプから出て行く見通しのない人達は畑を作り出した