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バスラを行く

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2003年7月 3日 更新

広河隆一さんに頼まれてバスラのイブン・ガスワン病院に行くことにした。日本からの寄付金で、白血病に苦しむ家族に100ドルづつの見舞い金が支払われることになった。

この病院では1990年対比で2002年には白血病は5.7倍に、小児悪性腫瘍発症数は8.4倍に膨れ上がったという。患者は治療の種類によって月に50ドルから150ドルの出費がある。イラク人にとっては結構な金額である。サダム政権の崩壊とともに公務員のほとんどが職を失って失業状態にあり、生活はどんどん苦しくなっている。

イスマイル(64歳)さんは船乗りだったが、2年前に定年を向かえ年金生活をしている。
「英軍が40ドルを払ってくれるそうだ。しかし、もともとは中央銀行にあったイラクのお金だ」
と憤る。
娘のヌールちゃん(8歳)が3ヶ月前から足がだるいと言い出し、ご飯を食べなくなった。白血病だとわかり病院に入院して28日目になる。
「家に帰っても冷房もない。入院させているほうがまだましだ」
という。

ヌールちゃんと佐藤、一緒に写真をとろうとせがまれるヌールちゃんと佐藤、一緒に写真をとろうとせがまれる

あくる日再び病院に行くと、イスマイルさんに呼び止められた。
「娘が輸血を嫌がっているんですよ。あなたは娘の友達だから言うことを聞くように言って下さい」
というのだ。
「注射はいや」
看護婦が輸血用の針を入れようとするがうまく行かずに血が滴り落ちる。
慰めようも無く、日本から持ってきたぬいぐるみを渡したら、彼女は泣き止んだ。

病院からマスクをつけて家に帰ろうとしている男の子を車に乗せて家まで送り届けた。驚いたことにその子は家畜小屋のようなところに住んでいた。
「これでは、感染症をおこしますね」
同行した井下医師もため息を付く。
子どもたちは病気に苦しみ、家族は貧困に苦しんでいる。

少年の住む家は家畜小屋のようなところ少年の住む家は家畜小屋のようなところ