1991年の湾岸戦争以後、白血病や小児癌の子どもたちが増えている。原因は1991年に米軍が使用した劣化ウラン弾ではないかといわれている。そして今回のイラク戦争でも米軍は、前回を上回る量の劣化ウランを使用したという。
アメリカの主張は一貫している。世界保健機関(WHO)、国連環境計画(UNEP)、および欧州連合(EU)の科学者らは、劣化ウランに被ばくしても健康に影響はないとしている、よって米軍は劣化ウラン弾を使い続けるというのである。
http://usembassy.state.gov/tokyo/wwwhjp0285.html
真実は今のところわからない。残念なことに、イラク政府もアメリカ政府もプロパガンダを行ってきた疑いが強いからだ。しかし、現実に白血病や小児癌で苦しんでいる子どもたちがいる。JVCは彼らにどのような支援が出来るのだろう。今回は血液学を専門とする井下医師に同行願い、イラクの白血病の治療現場を訪れた。
バグダッドのマンスール教育病院では、専門医のマーゼン氏が案内してくれる。
「抗がん剤が不足していました。サダム政権が崩壊した後、倉庫から多くの薬が出てきました。薬不足の原因は、国連の経済制裁だけではなかったようです。」
「骨髄移植のセンターもオープンしたということになっていましたが、それは全くサダム政権のプロパガンダでした」
というのだ。
しかし、問題はサダム政権が崩壊しても子どもたちの状況は良くはならないということだ。サダム小児病院は名前を中央小児教育病院に改めたが、エアコンはなく、子どもたちは不潔な病棟に入院している。
ベッドの上には口から血を流し続ける男の子がいた。母親が拭いても、拭いても血が出てくる。
井下医師によると、
「もし原因が劣化ウラン弾による放射能だとしたら、普通の白血病とは異なり治療はかなり難しい」
とのことだった。
口から出血する子ども サダム小児病院改め、中央小児教育病院で