\n"; ?> JVC - イラク難民、妊産婦支援活動 - イラク・ヨルダン現地情報

イラク難民、妊産婦支援活動

パレスチナ事業担当 看護師 吉野 都 吉野 都
2003年6月12日 更新

今年の4月からJVCは、ヨルダンのNGOであるカリタス・ヨルダンと協力してヨルダン在住のイラク人妊産婦支援を行っています。
そもそもJVCはイラクの将来を担う新しい命を守ろうと、今年の初めからバクダッドの産科病院の設備改善を行ってきました。今回の戦争で大きな被害を受けたこの病院ですが、現地のスタッフたちの手により、何とか病院は再開し、毎日新しい命が産まれています。

バクダッドの病院再建にがんばるスタッフと産まれた赤ちゃんバクダッドの病院再建にがんばるスタッフと産まれた赤ちゃん

一方で、1991年の湾岸戦争時によりよい生活を求めヨルダンに流入したイラク人の本国への帰還はまだまだ時間がかかりそうです。特に、ヨルダン在住のイラク人妊産婦は、従来から抱える生活上の貧困問題と、故郷の紛争・混乱を懸念する強い不安から、身体的にも精神的にも強いストレス下でのお産を余儀なくされています。次世代のイラクのためにも、彼女たちが安心してヨルダンでお産が出来るような支援が必要です。しかし、彼女たちを支える社会的な支援体制は、整っていません。
このような状況を憂慮して、JVCはカリタス・ヨルダンと協力して、お産費用の一部支援、カウンセリングをかねた妊産婦家庭訪問を行い、妊産婦支援に努めています。

アンマンに住むイラク人のライダ(仮名・33歳)は、米英のイラク攻撃の最中、妊娠後期でした。
「その頃は、毎日テレビを見て涙を流していた。」
と言っています。
両親がバクダッドに住んでいるとのことで、気が気でなかったのでしょう。その後、両親はバクダッドからドホークに避難したことをアメリカにいる兄弟から聞いた、ということでした。

そのようなつらい時期を乗り越え、ライダは4月23日に元気な女の子を産みました。お産前にカリタスのケースワーカーの家庭訪問を受けて
「いろいろ話せて、気持ちが楽になった。」
と言っていました。

同じくアンマンに住むイラク人のファミ(仮名・32歳)は、5月末に妊娠3ヶ月で流産してしまいました。
「7歳になる息子が兄弟・姉妹ができるのを楽しみにしていたのに…」
とお父さんは、私たちスタッフの前で男泣きしました。

医学的に、妊産婦は妊娠中に受ける精神的・身体的ショックやストレスを、正直に体で示す、と言われています。ファミがイラク戦争中にどのような思いでいたのか、身体的サポートのみならず、心理的なサポートも含めて彼女に寄り添っていくことが必要です。

アンマンに暮らすイラク人妊産婦の思いから、この戦争は何だったのか、どれだけ多くの人々の涙が流れたのか、と改めて考えさせられています。