湯川れい子さんたちの呼びかけで平和を求める音楽家たちがコンサートを開いたのは4月29日のことでした。
「NO TO WAR/音楽家たちの平和セッション4.29」がそれです。
会場で集められたカンパ約100万円はJVCに寄付され、作曲家の三枝成彰さんがイラクまで届けることになりました。
5月4日から9日まで三枝さんと私たちはイラクを訪問し、この戦争は一体何だったのか、そして今、イラクの人々にはなにが必要なのかを考えました。
JVCは医療支援を続ける一方で、今回は文化復興支援を行いました。戦争前からJVCが力を入れてきたのは平和交流です。平和教育のワークショップを行ってきた児童館や音楽学校、日本の子どもの絵の展覧会をした画廊など、ことごとく略奪されてひどい状態です。そこで、一日も早く子どもたちが集まれるようにと、JVCと関係のあった施設を応急的に直すための支援を決定しました。
1)シンドバッド子どもクラブ (ワークショップなどを行った児童館の支援)
2)音楽・バレエ学校 (ガラス窓や教室の補修)
3)ベイト・イラク (日本の子どもの絵を展示した画廊へお絵かき教室などを復活させるために屋根の補修など)
4)ニューバグダッドの聖エリア教会 (青年向けパソコン教室と児童向け絵画教室の支援)
音楽・バレエ学校訪問
スハッドちゃんの絵。持っているのがウードという楽器前回(現地情報No.29)、スハッドちゃんの無事を確認した私たちは、5月5日の夕方、音楽学校の様子を見に行きました。スハッドちゃんは疎開先から音楽学校に戻ってきていました。学校は壊されたままでしたが、まもなく再開するとのことです。イラク人は教育や文化を大切にしているのだと改めて感じます。
三枝さんは教室に置かれたピアノに向かうと、即興で演奏を始めました。スハッドちゃんは再び音楽が鳴り始めたのに大喜びです。
三枝さんは
「この子どもたちが再び音楽が出来るようになると良いね。将来音楽家になってもらいたいな」
と言いました。
スハッドちゃんはウードを習っていましたが、楽器は壊されてぼろぼろです。これまでは貧しい子どもたちでも才能があれば音楽を学ぶ機会がありましたが、これからはどうなるかわかりません。
音楽はみんなのものであって欲しいです。
三枝さんと子ども達(音楽学校の校庭に掘られた防空壕の中で)「日本の国がもたもたしているあいだに、どんどん出かけて行き、市民の視点でサッと働くJVCの姿を頼もしく思います。これからもJVCの活動に注目していきたいと思います」(三枝成彰)