佐藤真紀からのレポート
JVCはイラクにおいて3つのプロジェクトを行っていました。
1)国立母子保健病院への医療器具などの支援
2)イラクの子どもたちを励ますために日本の
子どもたちが描いてくれた絵の展示
3)バグダッドの子どもたち、特にストリート
チルドレンへの食料などの支援をフランスと
ドイツのNGOと合同で実施
しかし、イラクへの攻撃が開始され、現地との連絡が途絶え、協力をしてきた施設やプログラムの状況が危ぶまれていました。今回は、これらのプロジェクトの現状の調査、およびフランス・ドイツNGOと合同でバグダッドへの緊急医療援助(医薬品、医療用品の配給)を行うために中東代表・佐藤真紀と看護師・吉野都が現地入りしました。
4月16日(水)夕刻に現地入りした2名は17日(木)に活動を開始しました。この日は一日車をチャーターし、病院や施設の視察を行いました。
JVCが昨年から支援している赤新月社の母子保健病院の状況はかなりひどいものでした。周りのビルはことごとく破壊されています。この付近では6つのミサイルが投下されたとのこと。病院自体は爆撃をまぬがれたものの、爆風で窓ガラスが割れるなどの被害を受けています。現在は閉鎖中で中に入ることは出来ませんでしたが、土曜日に再度訪問し見せてもらうことになりました。中の様子を見た上で今後の支援の形を検討する予定です。
訪問中にもお腹の大きい患者さんが訪れましたが、閉鎖と聞いて帰らざるを得なかったそうです。この病院は貧しい地区にあり、この地区で子どもを産む母親にとってとても大事な病院なので、早期の再開を期待しています。
日本の子どもたちからイラクの子どもたちへの励ましの絵を飾っていた画廊は無残なものでした。破壊も略奪もひどいです。目の前に政府系の建物があることから被害をこうむったようです。中は金目のものをすべて取られています。画廊なので金目のものがありそうと思われ狙われたようです。パソコンなども持ち去られていました。日本の子どもの絵はガラスつきの額縁に入っていたようですが、ガラスは壊され、床中に絵が散らばっていていました。イラクの子どもたちの絵も壁から剥がされてぼろぼろになっていました。画廊再開の目処はつかず、今回日本から持ってきた絵はとても貼れる状態にはありません。子どもたちも学校が始まっていない状態なので、遊びにくることもありません。当面は、出会った子どもたちに日本の子どもが書いてくれた絵を見せてお返しに絵を描いてもらうことをしていきます。
ストリートチルドレンを対象にした食糧等の援助の状態は、今日の夕方到着したフランスのNGO「世界の子どもたちー人権」とドイツのNGO・APN(Architects for People in Need)と明日ミーティングを持ち、今後の調査のあり方を決めます。
バグダッドの多くの国立病院は破壊または略奪にあい、機能停止をしています。対して、小さめの専門病院・クリニックは、診療を始めていますが、専門科以外の処置もとらなければいけなくなっています。今回トラックにて積んできた医薬品・医療用品は、このように診療を継続しているクリニックを中心に配布していきます。
バグダッド市内の様子は昨日に比べれば多少落ち着いてきました。一部の地域では開いている店の数も増え、活気も取り戻しつつありますが、依然として多くの場所はゴーストタウンと化しています。略奪行為はまだ続いており、略奪の後に火を放つために煙が立っています。空軍の事務所が襲われたようです。電気の供給は3日くらいで再開されると言われています。食事はジャーナリストの集まるところにレストランが開き始めていますが、夜はまだまだ出歩ける状態ではありません。
看護師 吉野都からのレポート
JVCが支援していた母子保健病院で3月27日に帝王切開で女の子を産んだ家庭を訪問しました。母子保健病院は4月2日に付近が爆撃されるまで、戦争中でも診療を続けていました。お母さんは母乳も出ていて母子ともに良好。日本から持っていったこけしのキーホルダーをプレゼントしました。このような過酷な状況の中でも、元気な赤ちゃんが生まれてきてくれて、感動します。