\n"; ?> JVC - ピースヤードの活動を実施しました。現地情勢はなお不安定です。 - イラクウォッチ

ピースヤードの活動を実施しました。
現地情勢はなお不安定です。

JVCイラク事業チーム補佐 中野 恵美
2020年3月 3日 更新

イラクでは今も一部でISの残党との戦いが続いています。また、昨秋からは汚職等に反発するデモ隊と政府側が衝突、約500人が死亡する事態になっています。

このような中、私たちは現地NGO「インサーン」の協力により、「ピースヤード(平和のひろば)」を実施、10月7日から12月14日までの約2か月間、7歳から13歳の子どもたち57人が参加しました。地元キルクークの子、他地域から避難して来た子、アラブ系の子、クルド系の子、少数民族の子など、様々な子どもたちがいます。

INSANスタッフのラミアさんと子どもたちINSANスタッフのラミアさんと子どもたち

治安が悪い中、まずは安全な環境で、安心して集まれることが重要です。最初は緊張感がありますが、一緒に体を動かすゲームなどを通し、少しずつ打ち解けていきます。専門家によるカウンセリングも実施しました。多くの子が家族の誰かを失っており、ISとの戦闘から逃げてきて心身に傷を負っている子もいます。安心できる環境で、子どもたちは少しずつ心の安定や自己肯定感を取り戻していきます。さらに、映像や寸劇などを通じ、人権や平和共生という価値観を伝えます。集団で過ごす中で、協調性・社会性・自主性も育みます。

バスケットボールのシュートを楽しむ子どもたち。治安が悪いためふだん外で自由に遊ぶことはできない。バスケットボールのシュートを楽しむ子どもたち。治安が悪いためふだん外で自由に遊ぶことはできない。
民族や宗派が異なる子どもたちが交流し、平和・共生について学ぶ民族や宗派が異なる子どもたちが交流し、平和・共生について学ぶ

混乱の中で学校に行く機会を失っている子もいます。学校に通えていても、民族別の学校編成のため他民族の子と知り合う機会はありません。美術や音楽の授業はなく、体育は軍事教練のような内容です。「ピースヤード」は、子どもたちが交流しつつ様々な体験ができる貴重な場です。

ファシリテーターのラミアさんと笑顔の子どもたちファシリテーターのラミアさんと笑顔の子どもたち

年明け早々には米国によりイランの司令官がイラク国内で殺害され、緊張もさらに高まっています。混乱の中、「IS」が再び力を持つことも懸念されます。 今後もどうぞ引き続き応援をお願いいたします。