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IS戦闘員の家族:「IS後」の地獄のような暮らし

イラク事業担当 Ghamra Rifai(ガムラ・リファイ)
2019年8月 7日 更新

「ISに夢を見て集まった人々」のその後

2014年、IS(いわゆる「イスラム国」)が「カリフ国家」樹立を宣言し、シリアとイラクの広い地域に侵攻しました。「平和と幸福、そして質素な生活があるイスラム教徒の理想郷」というインターネット上のプロパガンダに突き動かされ、数千人もの外国人戦闘員がシリアとイラクに流れ込みました。

シリアとイラクの人々に降りかかる不正義への怒りから「彼/彼女らのために何かしたい」と突き動かされた人たちや、生きる目的を見いだせない若者たちが、世界のあちこちから豊かな天国を夢見て、戦争の現実を知らずに、シリアやイラクの「新しいイスラム教徒の国」に集まりました。

女性や家族の中には、強制されたり誘拐されたり、またISに加わる男性に従うしか選択肢がなかった人もいます。イスラム教徒としての誤った義務感からISに従ったり、また改宗してISの花嫁になることを選んだりした女性たちもいます。

このような人々は、世界中から集まりました。アメリカ、旧ソ連の国々、アジア、その他世界各地から、たくさんの人たちが「IS」に加わるためにやってきました。そして「IS」の敗北で多くの男たちが殺され、生き残った者たちは逮捕され、判決を待っています。

彼らの出身国の政府は、彼らの帰国を拒み、彼らをISの戦闘員から引き離すことに全力を注いでいます。彼らは、イラクの法制度の下で裁かれ、超満員の刑務所で消耗しきっています。そしてその多くは、罪の自白は拷問によるものだと訴えているにもかかわらず、死刑を宣告されています。

国籍が決まらない子どもたちもいる

その家族である何百人もの外国人女性が、子どもと一緒に非人間的な環境の中で、シリアとイラクに拘留されています。外国人女性、つまり母親たちは、子どもを連れて本国に帰ろうとしていますが、多くの国は母親の帰国を認めていません。その結果、子どもと母親が引き離される事態が生まれています。

国際結婚した「IS」メンバーの子どもは、国籍を決めるのが困難です。彼らは身分を証明するものを何も持っていません。「IS」に参加した娘の親たちは、娘とその子どもを本国に連れ戻そうとしていますが、たとえ本国に帰っても、彼女らには多くの問題が待ち受けています。国は、この問題に対して何も積極的に動こうとはしません。多くの人が何の助けもないまま死んでいきますが、誰もこの状況を変えようとしていません。

収容キャンプに入れられている「ISの家族たち」

また、シリアでは別の大きな問題が発生しています。現在、たくさんの「ISの家族たち("IS Family")」がシリア国内軍(SDF)の支配地域にある収容キャンプで生活しています。世界の国々は、非政府軍であるSDFと外交関係を結んでいないので、「ISの家族たち」を帰還させるための交渉手段をもちません。

イラクでは、女性の囚人たちは3歳以上の子どもと一緒に服役することができません。3歳以上の子どもたちは、少しずつ解放され、それぞれの国の政府に引き取られています。しかし、シリア北部では4,000人の外国女性たちが、8,000人の子どもたちと一緒にシリア民主軍の管理下にあるアル・ホルキャンプに留め置かれています。解放のめどは立っていません。

「IS」に関与した、またはその疑いを持たれている家族は、劣悪な環境に置かれています。彼らの多くは強制的にキャンプに収容され、医者にかかることも許されません。キャンプは人手不足で、収容者の多くは母親とその子どもたちです。キャンプのスタッフは男性のみで、日増しに居住家族に対する圧力を強めています。母親が、医者にかかろうとした時や刑務所にいる夫に会いに行こうとした時などには、その見返りに性的関係を強要されることもあります。

収容キャンプにいる家族は、国や現地NGOからの支援を受けることができません。国際機関からの支援も制約されています。彼らは差別され、人間以下の扱いを受けています。国は、身分証明書や公的書類を発行することを拒んでいます。

ISの親族である避難民は、故郷の街への帰還を許されていません。今いる場所で支援を受けられず、故郷に戻って新しいコミュニティを構築することもできません。

この「IS打倒後」のひどい現実を見ると、明るい幸せな未来図を描くことはできません。描くことができるのは、暗く、不安にさせる未来図です。

JVCは、これからもこの問題の行く末を見守り、イラクの忘れられた人々の現状を伝えていきます。

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