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「ニュージーランドでのモスク襲撃事件から、多文化共生を考える」イベント報告

イラク事業担当 Ghamra Rifai(ガムラ・リファイ)
2019年6月26日 更新

4月27日、日本国際ボランティアセンター(JVC)イラク事業チーム主催で、ニュージーランド・クライストチャーチで3月に起きたモスク襲撃事件についてのイベントを行いました。

ヘイトクライムや「外国人嫌い」について、またこの事件が日本など他の社会に与える影響について話し合うことを目的としていました。特に日本では、この4月から外国人の就労に関する法改正があり、同じような事件が日本で起こることを防ぐためにも、このような話し合いの場を持つことが緊急に必要と感じました。

当日は、まず明治学院大学准教授の長谷部美佳さんから、現在の日本在住の外国人の現状と分布に加え、新しい出入国管理法および想定される日本社会へのインパクトについて説明していただきました。そして、ヘイトクライムや外国人嫌いの心理的な背景と、誰でも自分の属するグループの価値観が重要と考えがちであるということ、そして、最近日本で起きたヘイトクライム関連の事例と、それが国内の外国人コミュニティに与えた影響についても話してくださいました。

次に、ニュージーランドのクライストチャーチ出身で埼玉県在住のエリザベス・ステニングさんが、モスクでの銃撃事件について説明し、ニュージーランドでこの事件がどれほど驚きを持って受け止められたかを話してくれました。ステニングさんは、この事件はニュージーランドの人々の考え方や価値観を反映したものではないということを強調しました。インターネットを通じて過激化したテロリストがやったことであり、このような事件は世界のどこでも起きる可能性がある、今回の事件の犯人はオーストラリア人で、ニュージーランド人ではなかったと説明しました。

お二人の話から、私たちはさまざまなことを考えさせられました。特に、外からの影響を受けて過激化する新たな世代の問題や、自分自身をどう守るかということなどです。

最後に、JVCイラク事業担当のガムラ・リファイから、イラク戦争前のバグダッドでは結婚の3分の1は異なる宗教や宗派間のものであったことを話しました。戦争後の治安の悪化により、それまでの非宗教的な社会が宗派的な社会に変わり、2年にわたる激しい宗派対立を経て、いまも人々は宗派主義に影響を受けていることを伝えました。

その後、JVCイラク事業前担当の池田未樹さんが、ニュージーランドでの経験からまとめの話をしたあと、来場者一人一人から、このイベントに参加した動機や理由、今日の話を受けて考えたことなどを話してもらいました。

このイベントを通じて、日本社会が急速に変化する中での、たくさんの重要な課題を提起しました。そして、これらの課題に対してすぐに答えが出ないにしても、参加者のみなさんと開かれた議論の場を持ち、この国の現状と将来について考える機会とすることができました。

JVCはこれからも、海外および国内のさまざまな課題について提起し、みなさんと一緒に考えたり、議論したりできる場を設定していきたいと思います。