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INSANと「平和のひろば」のボランティア タブロさん

支援される立場から、自立した女性へと成長
イラク事業担当 Ghamra Rifai(ガムラ・リファイ)
2019年1月31日 更新

タブロ・ノザッド・タイイブさんはクルド系女性のボランティアで、1993年にキルクークで生まれ、中学校を卒業し現在もラヒーム・アーワ 地区に住んでいます。

家族は両親と3人の子どもたちの5人で、妹のタニアは6年生、弟のトワナは学校に行っていません。

タブロはどん底の暮らしをしていました。父親はタクシー運転手でしたが、かつかつの生活に必要なお金を、なんとか稼いでいる状況でした。

「私たちは貸家に住み、私たちきょうだいはお金のために学校をやめざるを得ませんでした。父が、学校の費用や生活費をまかなうことができなかったからです。私は、自分の仕事を得て、給料で家族を支えることが夢でした。

母も仕事を探し、幼稚園の先生として、いくばくかの給料を得ることができました。仕事の関係で、母はINSANを知ることとなりました。

私はINSANの活動にとても感動し、人権と平和・参加型調査・紛争解決と平和構築と社会コミュニケーションなどの研修を受けたあとに、INSANでのボランティアを始めました。

私にとって、組織で働くのは初めてのことでした。私はとても緊張していて、あらかじめINSANまでの道々の写真を撮っておいたほどです。でも、INSANで働いた経験が、私に誇りと自信を与えてくれました。INSANが支えてくれたことも大きかったです。

私は誇りを持って仕事に取り組み、「キルクーク平和大使」のメンバーになりました。INSANでも仕事を続け、私がひとりだちできるようになるまでINSANが能力を高めてくれました。

INSANで働く中で、「社会の日(食料の日)」などたくさんの活動に参加することができました。これは、INSANがコミュニティ内の異なる宗派や民族間の結びつきをサポートするために実施したものです。また、リラン難民キャンプでのヘアセットや服の仕立てなどのイベント運営をお手伝いしました。植樹会や地区清掃活動などの平和・環境啓発活動にも参加しました。

また、日本のJVCとのコラボレーションである、子どもたちを対象にしたアートを通じた平和促進活動「平和のひろば」にも参加することができました。

「平和のひろば」に関わり、子どもたちにアート作品や工作の作り方を教えたり、平和をどう広めるかを教えたりすることは、私に大きな自信を与えました。特に、IDPの子どもたちの中には警官や軍におびえる子どもたちがいたので、警察や軍、消防隊の役割についてや、交通信号の意味などをアートや色を使った活動で理解させるようにしました。

2015年に父が脳卒中を患い、体にマヒが残り働くことができなくなりました。一家の収入は母の得る給料だけになり、父の医療費を含む家庭の支出すべてをまかなうには十分ではありませんでした。そして私は働き始めたのです。初めはアマル・オーガニゼイションで短期間、子どもの権利を伝える仕事をしました。そして今は、TDHという国際NGOの職員としてトーズ・コルマートとスライマン・ベクの近くの小さな村でリサーチャー兼・子どもの権利に関する監督官として仕事をしています。

INSANのボランティアとして活動する経験を通じて、コミュニティのために働くためのさまざまな情報や専門知識を得ることができ、INSANにとても感謝しています。

ボランティアとして活動を始めたことにより、自分に強い自信を持った女性に成長することができ、ボランティアとしての経験にとても誇りを持っています。

いま私は家族の生活を支え、父の医療費も支払うことができます。父を治療に連れて行き、薬を買うこともできます。家族の生活・経済状況は劇的によくなりました。兄弟も学校に通い始めました。

私を含む若い人たちを支援し、自信を持たせてくれたINSANとそのメンバーに、心から感謝しています」

最近タブローさんの状況を訪ねた時には、タブローさんが自分の自動車を自分で買って、運転していると聞きました。