\n"; ?> JVC - 2008/5/14版 - イラクウォッチ

2008/5/14版

2008年度イラク事業インターン 森 若奈
2008年5月14日 更新

「イラク・ウォッチ」について
イラク戦争から5年が経った今も混乱が続くイラク。治安や政治の状況は目まぐるしく変化していますが、日本での報道は年々減ってきています。このコーナーでは、イラクの政治や治安の状況を隔週でまとめてお伝えしていきます。


サドルシティー、壁の向こう側で起こっていること

3月25日に南部バスラで起こった戦闘が、バグダッドのシーア派居住地区サドルシティーにも飛び火して7週間になる。10日、対立していたサドル派と政府は停戦に合意し、翌11日に発行したが、実効性は不透明とされる。[1]

この7週間、サドルシティーの住民にとって大変な日々だった。AFP通信によると、サドルシティーにおける政府軍とサドル派マフディー軍による戦闘の死者は925人に達した。[2]

外出禁止令が出され、住民は生活に必要な水や食糧を買い溜める暇もなく、サドルシティー内の病院も医薬品の不足に陥った。この厳しい状況に対して赤十字国際委員会(ICRC)は、Sadr City General Hospital, Al Imam Ali General Hospital、そしてIbn Al Baldi Paediatric Hospitalに対して医薬品の配給、住民に対しては食糧と飲料水の支援を行った。[3,4]

Al-Jazeeraによると、3日には米軍の空爆により、Al Sadr Hospitalが何十台もの救急車や医療機器、建物に損壊を受けた。この空爆で女性や子どもも負傷した、と同病院の医師がコメントしている。[5]

バグダッドには、現在4つの壁が築かれており、そのうちの1つがサドルシティーを取り囲んでいる。一連の悲劇は、この壁の中で起こった。[6]

NGO Coordination Committee in Iraq(NCCI)は、5月8日付けのWeekly Highlightにおいて、「壁の向こうでは何が起こっているんだ?」、「誰かこの国際会議や国際協定、そして国際人道法に違反するこれらの慣行を非難したのか?」と読者に問いかけている。[7]

ニュースソース

[1]イラク、サドル師派とマリキ政権が「停戦合意」実効性は不透明 (MSN産経ニュース:2008/05/11)

[2]Sadr City bloodshed kills 925 Iraqis (AFP:2008/04/30)

[3]Baghdad's Sadr City residents under "strain"-ICRC (IRIN:2008/04/24)

[4]ICRC helps victims of Sadr City fighting (ICRC:2008/04/23)

[5]Iraq hospital 'damaged by US raid'(Aljazeera,2008/05/03)

[6]Baghdad, The Surrounding Wall (Wikipedia)

[7]NCCIWeeklyHighlight111 (NCCI:2008/05/08)