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アフガンウォッチ10月号

2016年度アフガニスタン事業インターン 戸澤 典子
2016年12月 8日 更新

タリバン元交渉責任者:タリバンに和平交渉再開を進言していたことを公表

15年間の沈黙を破り、タリバンの元交渉責任者であったアガー氏が現リーダーのハイバトゥラー・アクンザダに、今年7月、アフガン政府との和平交渉再開を進言した手紙を送っていたことを公表しました。手紙は4枚に及び、1)外国人傭兵の解散、 2)アフガン疑似政府として統治を中止、3)パキスタンからの撤退を呼びかけました。2001年にアフガニスタンを追われてから、タリバンはパキスタンに身を寄せアフガン反政府活動の拠点にしていました。このような環境はパキスタンの影響力を強め、タリバン上層部もその影響に2分され、それぞれの上層メンバーが和平交渉、パキスタン撤退に前向きでも、大きな会議ではメンバー間の不信と恐怖から議論がなされていないとのことです。また、アガー氏はアメリカ軍撤退を前提条件とする和平交渉は現実的でないばかりか賢明でないと語り、タリバンは要求を柔軟に考えアフガン政府と和平交渉を再開すべきであると述べています。

2016年10月31日 by Mujib Mashal、 New York Times )原語英語

麻薬アヘンの原材料のケシ、4割増の生産と撲滅運動の後退

今月23日、国連薬物犯罪事務所(UNODC)は今年の麻薬アヘンの原材料となるケシの生産が昨年比43%増産の見通しを発表しました。栽培面積は10%の増加ではあったもの、治安悪化の影響で国際団体やアフガン政府によるケシ栽培根絶運動が大きく後退したことが挙げられます。アフガニスタンは世界で流通するアヘンのほぼ9割を生産していると言われ、その収入はタリバンなど反政府勢力の資金源になっているとのことです。

2016年10月23日、ニューデリー時事、時事ドットコム

アメリカで初のコーラン展開催

今月22日からワシントン、スミソニアン協会フリーア・サックラー美術館でイスラル教の聖典であるコーランの展覧会が始まりました。同協会のクリン次長は「米国人の多くがイスラム教を殆ど知らないが、この展示で親近感を持ってもらえれば」と述べていました。今回はトルコ、イラン、アラブ諸国、アフガニスタンなどで製作された61点、他トルコの博物館の所蔵品が展示されます。米国人のイスラム教理解に、一役かってくれることが期待されます。

2016年10月22日、ワシントン時事、時事ドットコム

アフガン女子刑務所の抱える課題

アフガニスタンの女子刑務所は男性刑務所よりも深刻な問題を抱えています。女性刑務所の数が足りないだけでなく、医療施設、食事の提供、適切な独房、冷暖房の不十分、またロイターによるとパクティカ州では部族首長の家に女子受刑者が収監されているとのことです。このような環境は女子受刑者の心身にも過酷であり、受刑者とともに収監されている彼女の子ども達にとっても厳しい状況です。鬱などの精神的な問題も喫緊の課題です。さらに塀の外では、女子犯罪に関わる弁護士、検事の数が足りていません。アフガンの女子犯罪、女子刑務所に関わる問題は十分でない女性の人権への配慮であり、早急に取組まなければならない課題なのです。

(2016年10月17日、KABUL Times) 原文英語

アフガンのるつぼから、15年間見つめて

2001年から15年間、取材をし続けてきたゴール記者のアフガニスタンを綴った記事です。数年前まで10万人規模で駐在していたアメリカ軍が今や8,500人まで縮小し、一方、地方では数万人規模でタリバンが市民、アフガン軍に対し攻撃を行なっています。市民はタリバンに有効な手だてを打てない政府に失望し、難民としてヨーロッパに渡っています。この戦闘に加え、世界銀行によると百万人以上のアフガン人が貧困ライン以下の生活水準であり、人口の4分の3は未だ読み書きができないと言います。アフガンの若者が、祖国の歴史、平和で美しかったアフガニスタンを知らず、また自分たちの国だという帰属意識が薄いことも指摘されています。このような状況に多くのアフガン人は、2017年以降もアメリカの軍事的、外交的サポートが必要だと感じています。アメリカ軍駐留は人々に苦難を与えもしましたが、同時にアフガンの建設、教育、防衛、外交を灰の中から立ち上げたのも事実なのです。また、パキスタンのタリバン援助によるアフガニスタン攻撃の制止にはアメリカの軍事、外交援助が欠かせないと考えています。しかしこの15年で大きく変わった事もあります。2001年には2校しか無かった大学が今や30校以上となり、アフガンの女性が自分たちに自信を持つようになったことです。

2016年10月1日by CARLOTTA GALL、New York Times) 原語英語