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アフガンウォッチ9月号

2016年度アフガニスタン事業インターン 戸澤 典子
2016年10月20日 更新

アフガン政府、反政府勢力と和平協定結ぶ

22日、アフガニスタン政府はヘクマクティアル元首相率いる反政府勢力「ヒズビ・イスラミ」と和平協定を結びました。アメリカ政府もこの和平協定締結を歓迎し、在アフガニスタン米大使館は声明で和平合意は「アフガニスタンにおける紛争を平和的に終わらせる第1歩だ」と述べました。しかし一方、人権団体から強い批判の声も上がっています。ソ連撤退後の1990年代に起こった内戦中、ヘクマクティアル氏は首都カブールの占有をめぐる戦闘で市民に残虐な行為を行い、ロケット砲攻撃を繰り返していました。2001年タリバン政権崩壊後、ヘクマクティアル氏は欧米の支援を受けたアフガン政府と戦い、2003年には公式テロリストとして認定されていました。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは声明を出し、この和平協定によって武装勢力指導者らの人権侵害が不問に付され、「免責の文化」が形成されていると非難をしています。

2016年9月23日 CNN. co.jp

初の貨物列車、中国からアフガニスタン・ハイルタンに到着

9月7日水曜日、初の中国貨物列車が最終到着地アフガニスタン・ハイラタン港に到着しました。貨物列車には"中央アジア鉄道(Central Asia Trains)のサインが描かれています。列車は中国・南通(ナントン)を出発、数日かけウズベキスタンとアフガニスタン国境に位置する小さな町ハイラタンにはいりました。主流物流ルートであったパキスタン・ガワダール港が利用できない今、中国からのルートはパキスタンの代替えルートとして期待されています。ウズベキスタン、アフガニスタンの国境にはアモ川が流れ、1982年ソ連がドスティ橋('友情'の意)を架け、この橋がロシア・中国とアフガニスタンを含めた中東を繋いでいます。33年に及ぶ紛争中でもハイラタンルートは最も安全な物流ルートでした。

(2016年9月7日by Afghan news )原文英語

アフガンの消防士、消防活動より自爆攻撃に携らなければならない現状

消防署現場責任者のアブドゥル・アズィズ・オリャキルさん(54歳)が、「カブールの消防士は消防活動よりも自爆攻撃後の救命活動と攻撃現場の後片付けに忙しい」という現状を語ってくれました。消防士としての30年間、オリャキルさんは何千もの自爆攻撃現場に立ち会ってきたと言います。 消防チームは、攻撃現場の作業中に感じる恐怖、怒り、悲しみを脇に追いやりながら被害者の救助、亡くなった被害者の遺体回収・現場の清掃をします。このような凄惨な現場での仕事を続ける消防士ですが、彼らが現場の話をすることは滅多にありません。しかし、彼らの多くが心的外傷後ストレス障害(PTSD)のような症状を呈していると言われています。アフガニスタン衛生省の広報担当マジュルーさんは、アフガン政府はこのような状況を認識しているが、財政負担が厳しく何の手だても打つことができないと話しています。アフガニスタンでは2014年の国際治安支援部隊(ISAF)撤退から治安状況が悪化し、国連アフガニスタン・ミッション(UNAMA)によると自爆攻撃による市民の犠牲者数は2016年過去最悪となり、1月〜6月迄で5000人以上の市民が犠牲になっています。

(2016年9月6日 by Maija Liuhto, Aljazeera. com)原文英語

リオ・パラリンピックに懸ける槍投げ・円盤投げ選手 モハンマド ナイード ドゥラニ

デゥラニ選手はアフガニスタン初の槍投げ・円盤投げのパラリンピック選手です。イラン、アフガニスタン・カブールでトレーニングを積んできたデゥラ二選手は、パラリンピックでぜひメダルを手にしたいと願っています。なぜなら、ドバイで行われたオリンピック選考会で銅メダルを獲得、これがパラリンピックへの参加資格となりました。選考会後、パラリンピック委員会がイランでのトレーニングをアレンジしてくれたそうです。ドゥラニ選手は32歳、これまでイラン、クェート、韓国、バングラディッシュ、パキスタン、インドの大会で5つの金メダル、1つの銀メダル、そして銅メダル1つを獲得してきました。しかし唯一取れなかったメダルがパラリンピックのメダルだったのです。だからこそパラリンピックでメダルを獲得し、アフガニスタンに持ち帰りたいと切に願っているのです。ドゥラニ選手は1995年カブールのロケット攻撃で負傷、右足は残ったものの障害を負ってしまいました。この事件にも落ち込むことなく、前向きに挑戦し続けてきたのです。今まで4人の選手がパラリンピックに出場しましたが、選考会でメダルを獲得し出場資格を得た選手はドゥラニ選手が初めてです。

(2016年8月29日by Mir Saeed Sediqi TOLO news )原文英語

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アメリカが建てたアフガニスタンの誰もいない学校

2011年から、アメリカ政府・軍が開校したアフガニスタンの学校のうち1174校(ほぼ12校に1校)が幽霊学校であることがアメリカ教育省の内部データから分かりました。アフガン政府が公式に開校したと主張していながら、実際には開校も運営もされていない教育施設の現状が明らかになったのです。学校、教師、生徒が書類上にだけ幽霊のように存在する幽霊学校。驚くべきことは、これらの幽霊教師に給与が支払われていたのです。このようなことが起こった原因として、国内世論に向けた武力介入の金銭的、人的コストの正当化が指摘されています。アメリカ軍は10億ドル以上を投じたアフガンでの教育を成功事例として声高に宣伝してきました。軍事作戦が行き詰ると、政府当局者は学校建築数、女子入学者数、配布した教科書数、研修を受けた教師数などの数字を持出し、議会や国民に理解を求めてきたというのです。学校建設費が軍事支出として位置づけられ、事務的手続きがほとんど求められなかったのです。さらに、アフガニスタンに蔓延する汚職も、この状況に拍車をかけました。しかし、確かなことは一つあります。これらのツケを払うのは誰でもないアフガニスタンの子どもたちなのです。

2016年6月21日 By Azmat Khan BuzzFeed