全般・政治情勢
国連安全保障理事会が派遣した調査団(11/21-28)はアフガニスタンの治安状況を「困難ではあるが危機ではない」と報告[1]。一方、市民の治安悪化と政府の腐敗・機能不全に対する懸念や不満は増大[2]。
市民の外国軍に対する憤懣・暴動[3]を背景に、カルザイ大統領は国連安保理調査団に対して外国軍による空爆被害を訴え、軍事介入の終了時期を明確にするよう要請[4]。
米国は2万人の増派に向けて基地施設の増強を開始するなど具体的な動きへ[5]。NATOは加盟各国へ増派を呼びかけるも[6]、イギリス・ドイツ・フランス等の諸国は国内に反対論があり態度を鮮明にせず[7]。
ムンバイのテロ事件によるパキスタン・インド間の関係悪化が、アフガニスタンも含む当該地域のテロ対策に悪影響を及ぼす懸念があり[8]、米国などが緊張緩和に努力[9]。トルコの仲介で12/5にアフガニスタン・パキスタン首脳会談が行われ、テロ対策への協力関係を再確認[10]。
武装勢力との対話については、サウジアラビアがオマル師を庇護したとの報道に関して公式に否定、カルザイ政権からの対話の呼びかけや米軍増派の動きに対してアル・カーイダやヘクマティヤール派が強硬姿勢を鮮明にし、パキスタン国内でもターリバーン勢力がザルダリ政権との対立姿勢を打ち出すなど、進展は見られず[11]。
2009年の選挙については、有権者登録作業の遅れや不正など様々な問題が指摘されつつ、野党は早期実施、選挙管理委は延期を主張[12]。
内戦・治安
状況は相変わらず厳しい[13]。アフガニスタンおよびパキスタンにおける戦闘や、カーブル・ペシャワール等での自爆攻撃、外国人や要人を狙った殺害・誘拐事件等が頻発。その中で民間人被害もやまず、外国軍による国軍・警察(や羊の群)への誤射もあるなど、状況は混迷。国軍・外国軍および武装勢力の双方とも、冬季中も活発に活動すると言明[14]。
治安維持に関して地域の部族社会の協力を求める方針が導入されるも、その手法には様々な限界や問題あり[15]。
UNODCは2008年版のアヘン実態調査を公表、ケシ栽培面積やアヘン製造量は減少するも、依然として武装勢力の大きな資金源になっていると報告[16]。
難民・内国避難民
難民や内国避難民の帰還・定住にあたり、住居・生活物資の不足や治安の悪化などの問題が引き続き山積[17]。
イランはアフガン難民の強制退去を加速[18]。
民生・援助
旱魃や厳しい冬季による食料不足に関して各援助機関からアピールが相次ぐ[19]。WFPやアフガニスタン政府ほかによる食料等の援助が開始されるも、資金不足や治安悪化が障害に[20]。
女性や子どもに対する暴行・人権侵害について国連等が警鐘[21]。
PRTによる人道・復興支援が拡大するも[22]、地域住民やNGOからその問題点を指摘する声あり[23]。