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高尚だけが人生か?

ラオス事務所現地代表 平野 将人
2016年12月 1日 更新
イラスト/かじの倫子イラスト/かじの倫子

とある有名なロックバンドのボーカルが、こんなことを言っていました。「ガキばっかりだまして、 と友達に言われる。でも、俺もガキの頃ロックにだまされたままなんだよね」。私も今年で42歳。昔は、これくらいの歳になったらなにか「高尚な趣味」を持っているのだろう、となんとはなしに思っていました。しかし今の私の趣味は、ボクシング、魚釣り、一番好きな映画は『仁義なき戦い/広島死闘編』、美術館より演芸場、好きな音楽はパンクロック!と、あまり高尚な感じがしません。

まあそんなもんかな、とも思っていたのですが、同年代のカンボジア事業担当のY氏はクラシックをレコードで聴くが大好きで、イラク事業担当のI氏の趣味は美術館めぐりだとか。これは焦ります。

とはいえ、焦ったところで急には変えられません。先日YouTubeで見つけたある無名のアマチュアバンドが、「薄っぺらい世の中でどう生きていいか分からない。もう戦うしかない。僕たちは間違っていない」と歌っていました。なんて薄っぺらい歌でしょう。彼らはきっと負けるし、世間的にみれば間違っているでしょう。それでも私はこの曲を時々聞きます。私も10代の頃からだまされっぱなしなのでしょう。

それでも、ワビサビの入った枯れたロックも聴くようになったし、矢沢の永ちゃんが「演歌ロックと言われようが、ヤザワはヤザワの人生を反映した音楽をやる」と言うことの意味も分かりました。ま、高尚になったのではなく、オッサンくさくなっただけですが。