去る8月24-25日、アフリカ・モザンビークでアフリカの開発について話し合う国際会議「TICAD」の閣僚会合が開催されました。TICADは1993年以降、日本政府が主導し開催してきた国際会議で、今回の閣僚会合には河野外務大臣も参加しました。初回より、アフリカ各国および日本のNGO等市民社会の代表も参加しており、今回もJVCからアフリカで長く活動する地域開発グループマネージャーの渡辺直子が派遣団として外務省に登録され、出席を予定していました。
ところが、派遣団として登録後、正式な手順でモザンビーク入国ビザ申請を行っていたにも関わらず、モザンビーク政府は渡辺へのビザ発給を拒否しました。
なぜこのようなことが起きたのでしょうか。渡辺は2013年から、モザンビークで実施されている日本のODA事業「プロサバンナ」に関する調査と提言活動を続けてきました。ODA事業とは、主に開発途上国を対象として政府資金で行われる援助・国際開発協力で、私たちの税金が使われています。
同国北部において、日本の全耕作面積の2倍にもあたる広大な地域を対象としたプロサバンナ事業は、当初、農業ビジネスの投資を呼び込み、大規模な農地開発をすることを目指していましたが、地元農民たちには充分な説明がされておらず、不安が広がっていました。
渡辺は自身が担当する南アフリカでの活動のなかで、プロサバンナ事業に抵抗の声をあげるモザンビークの農民たちに出会い、その懸念と、一方で彼女ら・彼らがもつ将来へのビジョンに共感しました。それ以降、「この声を届けたい」と何度も現地に足を運び、農民の声に耳を傾け、政府に届けるために活動を続けてきました。(https://www.ngo-jvc.com/jp/projects/advocacy/prosavana-jbm.html#tearticle)
その甲斐あって、「プロサバンナ」からは大規模な土地利用の計画はなくなったと言われていますが、当初「投資」を奨励したために、国内外から企業が押し寄せ、農地は次々に奪われていきました。ここ数年は、事業に疑問の声をあげる農民への現地政府による弾圧が加速し、中には脅迫される人も出ています。それでも、農民たちは勇気をふり絞って、「プロサバンナ」の事業主である日本の「JICA」に異議申し立てを行ったところでした。
そんななか起きたのが、今回の「入国ビザ発給拒否」です。渡辺に対する「入国拒否」は何を意味するのでしょうか。今後、プロサバンナ事業、そして事業に抵抗する現地の農民たちはどうなっていくのでしょうか。皆さんに共有し、考える機会を設けたいと思います。
当日は渡辺のほか、聞き手としてジャーナリストの堀潤さんにご登壇いただきます。ゲストには、在米日本大使館経済班一等書記官(ODA担当)などを歴任され、国際人権基準等に基づく開発やビジネスにおける人権問題に詳しい若林 秀樹さんをお迎えします。日本に住む私たちの税金が使われる「ODA」を知る意味でも、多くの方にご参加いただければと思います。
※現在、「入国ビザ発給拒否」に関する署名活動を実施中!既に4,300人をこえる方にご署名いただいています。こちら近日中に、外務大臣に提出予定です。ぜひご協力ください。http://bit.ly/2wh6twh
日時 | 2017年9月22日 (金) 19:00~21:00 (18:30開場) |
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会場 | 講談社 本館6階講堂
住所:東京都文京区音羽2-12-21 (会場への地図) |
アクセス | 東京メトロ有楽町線護国寺駅下車 6番出口から約1分 |
登壇者プロフィール |
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参加費 | 無料 |
定員 | 150名 当日参加歓迎、直接会場にお越しください |
主催 | 日本国際ボランティアセンター(JVC) |
協力 | GARDEN、講談社 クーリエ・ジャポン |
申し込み/ 問い合わせ先 | JVC広報担当 大村 TEL:03-3834-2388 MAIL:omura@ngo-jvc.net ※取材をご希望の方は、事前に大村までご連絡ください。 |