\n"; ?> JVC - 2016年南スーダン首都ジュバ緊急支援報告(2016年9月) - お知らせ・募集

2016年南スーダン首都ジュバ緊急支援報告
(2016年9月)

2016年10月 7日 更新

【2016年11月2日更新】
今回の2地区への緊急支援活動に、総額約65万円がかかりました(渡航費・現地交通費等を含む)。2016年10月29日までに、69万81円のご支援をいただきました。ご支援くださった皆様に心より御礼申し上げます。余剰金は、継続することとなった南スーダン緊急支援活動(11月もしくは12月に、職員を派遣予定)に活用させていただきます。
引き続きのご支援、どうぞよろしくお願い致します。

2011年に独立した「世界で一番新しい国」、南スーダン。独立の喜びもつかの間、2013年には大統領派と副大統領派とによる内戦が勃発、何万人もの命が奪われ、200万もの人々が避難を余儀なくされました。交渉の末、和平合意が結ばれたのが昨年。今年4月には暫定統一政府が発足し、戦乱は収まったかのように見えました。

避難していた一家。手にした野草で飢えをしのいでいた避難していた一家。手にした野草で飢えをしのいでいた

しかし7月8日、首都ジュバで両派の軍が再び衝突。戦車や軍用ヘリが動員された激しい戦闘は4日間で収束しましたが、住民は深刻な被害を受けました。戦闘地域とその周辺では住居が破壊され、略奪、レイプが横行し、犠牲者の数は数百人と言われますが、激しい混乱の中、実際の数は誰にも分かりません。市内では、約4万人が一時的に避難したと言われます。

またその前後から、ジュバからウガンダ国境にかけての広い地域に戦闘が拡散、村への襲撃、住民の虐殺が相次いでいます。生き延びた人々は少しでも安全な場所を求めて学校や教会へ、あるいは隣国へと逃れています。

JVCは、ジュバの情勢が一定程度落ち着いたことを受け、9月前半にスーダン事務所現地代表の今井高樹を現地に派遣しました。そして今井の聞き取り調査の結果、最も必要とされていた食料を緊急支援することを決めました。

避難した人の中には既に自宅や親戚宅に戻っている人もいますが、「家に戻るのが怖い。いつ襲撃、略奪されるかわからない」という不安の中、未だに多くの人々が避難生活を続けています。インフレ率600%を超える物価騰貴によって食料を手にすることは難しく、避難時に受け取った食料が底を突き、野草を採って飢えをしのいでいる人もいました。

そのような状況を受け、JVCは、カトリック系国際NGO組織である「カリタス」のジュバ教区事務所と連携して、合計286世帯の避難民への食料支援を実施しました。

支援内容

ジュバ・ラジャフ地区の避難民への支援

【実施日】2016年9月10日
【支援者数】5世帯(22名)
【内容】
・食料1ヶ月分:(1世帯当り)トウモロコシ粉50kg、食用油5リットル、豆10kg、塩1kg
・生活物資:(5世帯合計)蚊帳2帳、石鹸1カートン、防水シート2枚、衣類(子ども用、女性用)上下合わせ68枚(22人分)

【状況】
ナイル川東岸にあるラジャフ地区の諸聖徒カトリック教会には、8月に武装グループの襲撃を受けた村から5世帯が避難していることが判明しました。聞き取りに基づいて食料の配布を決定しましたが、同時に、蚊帳の不足によって蚊帳の中で眠れない子どもがマラリアに罹患するリスクが高まっている、避難する際に1週間近くヤブの中を歩き続けて衣類が破れているが着替えがない、洗濯しようにも石鹸がない、といった状況も明らかになりました。そのため、食料とあわせて生活物資を配布しました。

多くの村人が犠牲になり、避難民の5家族の中には襲撃により子どもを失った家族もいます。また、逃げる途中で家族と離れ離れになった人もいました。現在は教会が保護していますが、十分に食事をとることはできておらず、体調を崩す子どももいました。家に帰れる見込みはなく、しばらくは避難生活が続くとみられます。

ジュバ・グンボ地区の避難民への支援

トラックから支援物資を積み下ろすトラックから支援物資を積み下ろす

【実施日】2016年9月14~15日
【支援者数】281世帯(約1,400名)
【内容】食料半月分:(1世帯4~5人当り)トウモロコシ粉25kg、食用油2リットル

【状況】
同じくナイル川東岸グンボ地区のドン・ボスコ・ミッション(教会関連施設)の敷地内には、7月の戦闘により被災した281世帯が避難を続けていました。多くの家族の大半は女性と子どもです。

各自持参した空容器に、食用油を小分けする各自持参した空容器に、食用油を小分けする

当初は、援助団体からテント、食器類、毛布などが配布され、8月には半月分の食料が配布されましたが、その後、食料配布は途絶えていました。女性たちは毎日近くの林に出掛けて、薪を拾い、食べられそうな野草を集めています。薪は、市場では3~5本の束が5スーダンポンド(約6円)で売れるため貴重な現金収入源ですが、それだけで食料を購入することは到底できません。食べるものがなく、取ってきた野草から豆を子どもたちが食べていました。ここでも最も必要とされる食料を配布することに決め、支援を実施しました。

食料配布を受け取った人々と、支援を担当したスーダン事業現地代表の今井(前列右)食料配布を受け取った人々と、支援を担当したスーダン事業現地代表の今井(前列右)

食料を受け取りにきた避難民は、「とにかくこれで助かった」「ありがとう」と、口々に言っていました。今回は、主食のトウモロコシ粉と食料油のみの支援でしたが、「これだけでもすごく助かる。ありがとう。」と笑顔で言う人もいました。「おかずはどうやって調達するのか?」と尋ねると、「雨が降った後に林に出掛けて、野草や豆類をとってくる」との答えでした。治安状況が回復せず、この地区でも、避難生活が長く続くことが懸念されます。

募金にご協力ください

【2016年11月2日更新】
今回の2地区への緊急支援活動に、総額約65万円がかかりました(渡航費・現地交通費等を含む)。2016年10月29日までに、69万81円のご支援をいただきました。ご支援くださった皆様に心より御礼申し上げます。余剰金は、継続することとなった南スーダン緊急支援活動(11月もしくは12月に、職員を派遣予定)に活用させていただきます。
引き続きのご支援、どうぞよろしくお願い致します。

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本件についてのお問い合わせ

スーダン事業担当:小林、広報担当:大村
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