\n"; ?> JVC - パーム油投資によるグローバルな土地収奪と日本@東京 - イベント情報

パーム油投資によるグローバルな土地収奪と日本@東京

西/中央アフリカにおける住民の抵抗とその成果
2020年2月 3日 更新

JVCの地域開発グループマネージャーの渡辺が以下のイベントに登壇します。

【以下、主催者広報文より】

油糧作物である油ヤシからとれるパーム油の利用が日本でも急速に増えています。

パーム油は、ポテトチップスやパンなどの加工食品だけでなく、家庭用洗剤や化粧品にも使われています。油ヤシを生産しない日本では、100%が輸入されています。また、現在急速に「パーム油発電」が「地球に優しい発電」として、日本各地で広がりを見せようとしています。

しかし、パーム油の原材料「油ヤシ」の生産地で何が起きているのか、日本のほとんどの人は知りません。実は、油ヤシ生産への投資の流入により、アフリカ地域では、2.7百万ヘクタールもの土地の収奪が起きています。それは、実に東京23区(5.4万ヘクタール)の50倍もの面積を意味しています。政府から企業に譲渡された土地は4百万ヘクタールにものぼっていますが、それは日本の全耕地面積に相当します。

この結果、西/中央アフリカを中心に、大規模な森林破壊や土地収奪、環境悪化、飢えなどの問題が発生し、環境と人々の暮らしに悪影響が生じています。また、これに抵抗する住民やコミュニティ、それを支援する活動家やNGOなどは、企業や政府に暴力をふるわれたり、投獄されたり、脅迫を受けています。

地元の小農たちが利用する緑ゆたかな森(上段)が、油やしプランテーション拡大(下段)により破壊され、小農たちの暮らしが奪われていく。写真はガボンの様子。シンガポール国籍Olam社のプランテーションで、Olam社には日本の商社・三菱商事も出資参画する地元の小農たちが利用する緑ゆたかな森(上段)が、油やしプランテーション拡大(下段)により破壊され、小農たちの暮らしが奪われていく。写真はガボンの様子。シンガポール国籍Olam社のプランテーションで、Olam社には日本の商社・三菱商事も出資参画する

一方で、西/中央アフリカ地域では、言語と国境の枠組みを越えて、被害者同士の「プラットフォーム」が形成され、土地、森林、生物多様性、食を守るコミュニティの能力を向上させつつあります。その結果として、企業側の取得した土地での油ヤシの植林活動が停止したり、土地の一部が返還されるケースも出てきています。また、女性同士の助け合いと励まし合いが、土地の防衛や奪回だけでなく、エンパワーメントも実現しつつあります。

この一連の活動を、GRAINは、十年以上にわたってサポートしてきました。また、地球環境基金が過去3年にわたりこの活動の助成支援を行っており、今回はその最終年度の成果発表も行います。

GRAINは、1990年に設立された国際NGOで、世界各地の食の主権の実現を目指す小農や社会運動の支援を行ってきました。アジア、アフリカ、ラテンアメリカ地域に拠点をおき、これらの運動の近くで活動を支える一方、膨大なデータをもとに世界の動向を分析してきました。そのレポートは、国連等でのグローバルな政策決定に大きな影響を及ぼしてきました。

油ヤシ・プランテーションの急速な拡大による被害は、国際的な関心を呼び、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)などの枠組みも出来ています。しかし、現実には、十分に効果を発揮していません。また、日本企業も、西/中央アフリカでの油ヤシ生産投資に関わっており、私たちは「最終商品の消費者」というだけでなく、「土地収奪に関与する企業への投資家」という意味でも、この問題に関係しています。

以上を受けて、本セミナーでは、油ヤシ投資をめぐるグローバルな動き、油糧作物生産にかかわる日本の官民関与、生産地での実態、それに抗う人びとの国を超えた連携、その成果と課題が紹介されます。参加者との活発なディスカッションを期待しています。

日時 2020年2月25日 (火) 17:30~20:30
会場 上智大学四谷キャンパス6号館(ソフィアタワー)409
住所:東京都千代田区紀尾井町7-1 (会場への地図)
アクセスJR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線/四ッ谷駅 麹町口・赤坂口から徒歩5分
プログラムなど

プログラム

司会:伊藤 毅(上智大学国際教養学部・大学院グローバル・スタディーズ研究科)

  1. 趣旨説明:「油糧作物栽培と日本の関わり-パーム油から大豆まで」
    渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)
  2. 報告:「グローバルなパーム油生産投資がもたらす土地収奪の実態と住民の抵抗-西/中央アフリカ地域を中心に」
    デブリン・クエック(国際NGO・GRAIN)
  3. コメンテイター(調整中)
  4. オープン・ディスカッション

プロフィール

渡辺直子(日本国際ボランティアセンター)
南アフリカ事業担当/地域開発グループマネージャー。2012年から、日本がブラジルとともにモザンビークで進めるODA農業開発事業「プロサバンナ」や土地収奪問題の現地調査に従事。国際NGO・GRAIN事業の日本との橋渡し役として、西・中央アフリカでの土地収奪問題にもかかわる。
デブリン・クエック(Devlin Kuyek / GRAIN調査プログラムオフィサー)
カナダ出身。マレーシアやフィリピンの小農組織・NGOで活動した後、2003年からGRAINに参加。2008年10月に、世界で最も早くランドグラブ(土地強奪/収奪)に警鐘を鳴らすレポートを発表。世界各地の大規模土地取引情報を「見える化」して注意喚起を行うなど、そのクリエイティブな手法は、後の土地取引をめぐる世界銀行、国連、学術界、NGOに大きな影響を及ぼし、グローバルなアジェンダ設定、政策転換、監視メカニズムの形成に貢献してきた。その後も、土地収奪に関する先駆的な調査・報告を出し続け、この分野で主導的役割を果たしている。
また、当事者主体のアクション・リサーチやキャパシティ・ビルディング、ネットワーキングの専門家でもある。油ヤシ・プランテーションに立ち向かう西アフリカ各国コミュニティの支援に取り組んでいる。
【国際NGO・GRAIN】(本部バルセローナ)
 https://www.grain.org/
危機に直面する生物多様性やコミュニティの保全のため、世界の小農や社会運動と共に活動するアクション&リサーチ型国際組織。遺伝子組み換えやランドグラブ(土地収奪)を含む食料システム(Food System)に関する専門家集団。
団体としては小規模ながら、アフリカ・アジア・ラテンアメリカに拠点を持ち、現地のパートナーらと共に、草の根・地域・国家・超国家・国際レベルでの活動・政策提言に大きな成果をあげてきた。その確かなリサーチ能力によって、世界各国の政府、国際機関、研究者らに注目・引用されるレポートやペーパーを多数発表してきた。
参加費 無料
定員90名
共催上智大学KASA Sustainability、国際NGO・GRAIN
助成地球環境基金(2019年度助成事業:西・中央アフリカにおける油ヤシ・プランテーション産業拡大に対応するためのコミュニティ能力強化と地域プラットフォームの形成)
協力日本国際ボランティアセンター、モザンビーク開発を考える市民の会
言語英語・日本語(英語から日本語への逐次通訳)
申し込み/
問い合わせ先
【お申し込み】参加希望の方は、以下のフォーム画面から、2月24日(月)正午までにご登録下さい。
【お問い合わせ】モザンビーク開発を考える市民の会事務局
http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com
office@mozambiquekaihatsu.net