1977年から16年間にわたったモザンビークの戦争は、百万人の死者を出し、史上最悪の戦争の一つとして歴史に記され、1992年に終結しました。しかし、本年10月21日、モザンビーク政府軍が、最大野党RENAMOの拠点を急襲し、国会議員1名が死亡、党首は山中に逃れたままとなり、翌22日にRENAMOは92年の和平合意破棄を宣言しました。中部・北部の十か所以上で軍事衝突が起こり、死傷者がでています。
すでに、国連、EU連合、米国など20カ国の援助国政府、カトリック教会は、声明や談話を発表し、両者に対し武力を使わず政治的緊張を対話で解決するよう求めています。主要援助国で声明・談話を出していないのは日本政府だけです。影響は経済にも及び始め、リオ・ティント社等は、外国人スタッフの家族を国外に避難させています。
こうしたモザンビーク情勢急転の中、11月4日、安倍首相は来年1月9日~15日にモザンビーク・ 南アフリカ・コートジボワールを訪問すると発表しました。今年6月のTICAD V(第5回 アフリカ開発会議)の際、日本は同国と二国間投資協定を結び、日本企業が炭田開発、世界最大規模の天然ガス開発に着手する一方、北部ナカラ回廊ではODA「プロサバンナ」事業による大規模農業開発やインフラ整備が進められています。
しかし、現地では資源開発や大規模援助事業が住民合意のないまま進められることに批判が高まっており、さらに政治軍事衝突の最中に首相訪問が発表されたことに疑問の声が上がっています。平和を求める市民、数千から数万人が参加する平和マーチが5主要都市で行われ、独裁化する現政権には与党内からも退陣を求める声が高まっています。11月20日に全国都市選挙が実施され、来年10月には大統領選挙の予定です。
もはや日本から「遠い国」とは呼べないモザンビーク。今何が起き、今後どうなっていくのかを共に考えます。どうぞご参加下さい。
※このイベントは、IWJ(http://iwj.co.jp/)で同時中継される予定です。
日時 | 2013年12月6日(金)13時~15時 ※12時45分より議員会館ロビーで入館票を配布 |
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会場 | 参議院議員会館 1F 102号室 |
プログラム | 報告
報告者プロフィール土井香苗: 国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表。弁護士。1998年東京大学法学部卒業。学生時、アフリカ・エリトリアで法制定ボランティア。2000年弁護士登録。国際法修士。2008年9月から現職。世界 中の人権侵害を止め、日本を人権大国にするため活動。著書に『"ようこそ"と言える日本へー弁護士として外国人とともに歩む』(岩波書店)、『巻き込む力』(小学館) 舩田クラーセンさやか: |
参加費 | 無料 |
定員 | 30名 |
共催 | (特活)アフリカ日本協議会、(特活)オックスファム・ジャパン、(特活)日本国際ボランティアセンター、Attac Japan、No! to land Grab、(特活)ピースビルダーズ、モザンビーク開発を考える市民の会 |
申し込み/ 問い合わせ先 | (特活)アフリカ日本協議会 担当・斉藤 ※以下を12月4日(水)正午までに知らせてください。 |