
2013〜2018年にパレスチナ事業を担当し、現在広報・ファンドレイジンググループマネージャーを務める並木による論文が、日本ユダヤ学会が発行する「ユダヤ・イスラエル研究 第34号」(2020年12月31日発行)に掲載されました。
2019年5月25日に行われた日本ユダヤ学会のシンポジウム「エルサレムー聖都をめぐる政治」における、並木の講演内容を書き起こしたものです。発行元の許可を得て、掲載論文の全文をこちらからお読みいただけます。
「はじめに」より引用
筆者が所属する「日本国際ボランティアセンター」(以降「JVC」)は1980年に立ち上げられた日本のNGOであり、1992年からパレスチナ人の支援を続けている。その中でも近年はガザ地区と東エルサレムにおいて活動を行っており、東エルサレムに事務所を置き、現地の人々の声に耳を傾け続けてきた。
本稿は、「聖都」エルサレムの中でもパレスチナ人住民たちが抱える課題について、一 NGO職員による聞き取りを交えながら報告することで、聖地・観光地であるこの街が影で内包している人権侵害の状況について共有することを目的としている。なお、東エルサレムに関するデータは多くないが、できるだけ最新のレポートを確認し、データを引用するように工夫した。
目次
1. はじめに
2. 「東エルサレム」とはどこか
3. 分断される「東エルサレム」と「共助」の困難さ
4. 東エルサレムにおける「公助」の不足
5. 東エルサレムにおける「自助」の困難性
6. 自決権の欠如による人々のフラストレーション
7. 「共助」を再建する取り組み
8. 公助を創り出す取り組み