明けましておめでとうございます。昨年は、私ども日本国際ボランティアセンター(JVC)をさまざまな形で支えていただき、本当にありがとうございました。
2021年、JVC国際協力カレンダーのタイトルは「私は、おもう」。写真と文を提供してくださったジャーナリスト堀潤さんのメッセージが詰まった言葉です。ともすれば「つながり」を見失いそうになった2020年。しかし、こういう時だからこそ、人びとはつながりを求め、その大切さに気付くことができたのかも知れません。
カンボジアの活動地では、「ロックダウン」の影響で出稼ぎの職を失い故郷に戻った村人が、JVCの研修を思い出して野菜づくりを始め、「このまま家族と一緒に村で生活をしていきたい」と話してくれました。紛争下に生きる人びとへの支援を続けてきたスーダンでは、戦闘を逃れて離れ離れになっていた家族が、10年ぶりに再開を果たす場面に出会いました。人びとの尊厳を守り自立を支えてきた私たちの活動が、「つながり」に結び付いていると感じる瞬間でした。
新型ウイルスによってかつてない経験をしたこの1年を経て、政治や経済の大きな力に翻弄される世界各地の人びとのことが、私たちにも少し身近に感じられるようになったかもしれません。近くの人を思うように、遠い国の人たちのことを思う・・この1年、JVCに届けられた数多くのご支援は、そういった気持ちの表れだと受け止めています。そうした皆さまの「おもい」に支えられ、厳しい年にあっても、私たちは世界各地での活動を継続することができました。感謝の気持ちは言い尽くせません。
昨年、設立40周年を迎えたJVC。41年目となる今年、新たな気持ちで、つぎの10年に向けての一歩を踏み出します。本年も、引き続きご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
2021年元日
日本国際ボランティアセンター(JVC)
代表理事 今井高樹