日頃よりJVCへあたたかなご支援を賜り、誠にありがとうございます。
2018年7月1日をもちまして、JVCの代表理事が谷山 博史から今井 高樹へと交代いたしました。
谷山は1986年のタイ・カンボジア国境の難民キャンプへの赴任から32年間、JVCに関わり続けてきました。 代表理事退任後は、理事会の一員としてJVCの運営に関わっていくことになります。
新代表理事の今井は2007年からJVCに参加し、スーダン・南スーダンでの10年の駐在経験を経た後、 2016年から東京事務所にて人道支援/平和構築グループマネージャーを務め、この度新代表に就任いたしました。
12年ぶりの代表交代、JVCスタッフ一同気持ちを新たに活動に邁進してまいります。 今後とも変わらぬご支援・協力をいただけますようお願いいたします。
代表交代を記念したイベントも開催予定です。 近日中にJVC HPにてご案内をさせていただきます。
6月より理事も新しい体制となっております。 理事一覧はこちらをご覧ください。
谷山より代表理事退任のご挨拶
私は6月16日のJVC総会及び6月末の臨時理事会において6月末をもってJVCの代表理事を退くことになりました。 新しい代表には一昨年までスーダンに駐在しており、直前には人道支援/平和構築グループのマネージャーをしていた今井高樹が就任いたしました。
振り返りますと、1986年にスタッフとして初めてタイ・カンボジア国境の難民キャンプに赴任して以来、 タイ、ラオス、カンボジア、アフガニスタンと、海外の現場で12年、東京においては事務局長および代表理事として20年、 合わせて32年JVCの活動に携わって参りました。これほどの長きに亘ってJVCで活動できましたのは 一重に皆さまの温かいご支援とご協力があってのことです。心から感謝申しあげます。
私がJVCに入った1980年代から現在の2010年代は冷戦と代理戦争の時代、冷戦終結 とグローバル経済の進展、対テロ戦争、東日本大震災と原発事故といった世界と日本の時代の転換を象徴する 重大な出来事がほぼ10年置きに発生する激動の時代でした。そして今はグローバルな経済競争の激化と地球温暖化を背景に 資源の枯渇と資源争奪競争が世界の軍事化を加速させる新たな危機の時代に入りました。日本でも世界でも、 社会の不公正を正そうと声を上げる市民社会が様々な形で規制や弾圧に晒されていることも、時代の危機を特徴づける現象となっています。
JVCは危機の時代に現場から新たな時代の萌芽を見出し、その萌芽を現地の人々とともに育ててきましたし、 これからもこの役割を一層果たしていかなければなりません。一方JVCの財政状況は極めて厳しいことも事実です。 新しい時代にJVCの役割を明確に打ち出しつつ、多くの市民と様々なセクターの方々の支持と支援を確保する必要があります。 このJVCの組織的課題を、今井新代表理事のもと、JVCの事務局と役員が一体となって乗り越えていこうとしています。
私自身は代表理事を退任しても役員で残ることになりましたので、皆さまとはまた様々な活動でお一緒することがあろうかと思います。 今後とも新代表理事の今井とJVCへのご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
今井より代表理事就任のご挨拶
JVCをご支援、応援してくださっている皆さま、本当にありがとうございます。 このたび7月1日より代表理事に就任いたしました。
私は、日本で民間企業に勤務していた頃にJVCのボランティアを始め、その後数年を経て2007年にJVCに入職しました。入職と同時に南スーダン現地駐在員となり、以来10年にわたって南スーダン、スーダンに駐在し、難民帰還支援、紛争による国内避難民支援などを実施してきました。 2017年度に人道支援/平和構築グループのマネージャーとなって初めて東京事務所勤務となり、約1年を経て今回の代表理事就任に至りました。
JVCは40年近く前にインドシナ難民支援から出発しました。その後、世界の難民問題は解決するどころか、 現在、難民・国内避難民の数は全世界で6千8百万人と過去最高を記録しています。JVCの活動地でも、 多くの人びとが紛争や占領のため故郷に帰れず不自由な避難生活を続けています。
資源や土地をめぐる「開発」の問題も世界各地で深刻化しています。私たちが関わっているモザンビークのように、 小農から土地を奪って大規模開発が進められています。従来、こうした動きは日本も含む「先進国」が「途上国」の資源を 奪う構図でしたが、近年、中国を中心に新興諸国による資源獲得競争が激しくなり、これまでの図式が変わりつつあります。
こうした中、JVCが取り組むべき人道支援、平和構築、住民を主体とする地域づくり、そして政策提言などの活動は、 多岐にわたりその必要性はますます高まっています。しかし一方で、足元を見ればJVCが組織として財政や人材などの面で 困難に直面しているのも事実です。様々な課題に積極果敢に取り組んでいく「JVCらしさ」が失われつつある、という声も聞かれます。
変化する時代の中で、課題にどう立ち向かっていくのか。もちろん、JVCのような決して大きくはない(しかし小さくもない)NGOに すべてができるわけではありません。JVCが本当に取り組むべき課題は何かを見据える必要があるでしょう。 財政や組織のあり方も見直さなくてはいけません。変えるべきところは変えながら、「JVCらしさ」を発揮して 新しい時代を切り拓くことができるよう、役員や事務局メンバーとともに力を尽くしたいと思います。
皆さまの変わらぬご支援、応援をよろしくお願い申し上げます。
【今井 高樹 プロフィール】
大学卒業後、民間企業に勤務。その間、1999年よりボランティアとしてJVCの活動に参加。2001年、アフリカへの農薬援助に反対するアドボカシー・グループ「2KRネット」設立。2002年よりJVC理事を1期務める。2004年に勤務先を退職、渡米しワシントンDCの公立小学校でインターンとして勤務したのち、2007年5月よりJVCスーダン現地代表。
スーダン南部自治領(現南スーダン)のジュバに3 年にわたり駐在。2010年よりスーダン(北部)の南コルドファン州に移動、2011年6月の紛争勃発後は首都ハルツームに駐在する。 2017年4月に帰国、人道支援/平和構築グループマネージャーを務めた後、2018年7月より現職。