JVCはイラク北部でイランに隣接する国境地域において、イランからの攻撃を逃れて避難中の人々への支援を行います。地元NGOが避難家族向けに行う衛生キットの配布に協力します。
現地の状況
シリア、トルコ、イランとイラク北部が接する地域はクルド民族の人々(クルド人)が多く住む地域です。 クルド人はイラク国内では北部のドホーク、アルビル、スレイマニヤの3県で一定の自治を獲得していますが、他の国々では自治が認められておらず、独自の国家を持たない世界最大の民族とも呼ばれています。トルコやイランなどでは、少数民族であるクルド人への中央政府による抑圧に対抗して独立を掲げる反政府運動が行われています。中には、これらの運動が先鋭化して暴力的な手段を取るに至り、例えばPKK(クルド労働者党)はトルコや米国にテロ団体と指定されています。PKKは各国にまたがる山岳地帯を拠点に活動しており、これを討伐するためと称してイラク領内にもたびたびトルコやイランからの攻撃が加えられています。そのような経緯の中で、PKKの関連団体であるPJAK(クルド自由と生活党)の拠点に打撃を与えるとしてイランが行っている攻撃は7月16日以降に激しさを増しており、一般市民が暮らす国境近辺の村々が砲撃を受けています。また、これに加えて8月18日よりトルコからの空爆も始まっています。
国境地帯から避難をしている人々は1,000家族を越え(8月25日付け報道)、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)、IOM(国際移住機関)、ICRC(赤十字国際委員会)などの国際機関も避難民への水や食料の配布、一時的避難用のテントの設置などの人道支援活動を行っています。
支援内容
地元NGOが国境から近隣の村落に避難中の避難民300世帯を対象に行う、石けん、シャンプー、救急絆創膏などの衛生キットの配布に、複数の団体とともに協力します。
イラクにおけるこれまでの活動
JVCは2002年よりイラクでの支援活動を続けています。白血病の子どもたちへの医療支援や、2003年の戦争と引き続く暴力で傷ついた人々への人道支援を行って来たほか、2009年度より、イラク中北部で子どもの絵画ワークショップを通して地域からの平和づくりを支援しています。
イラクにおける活動はこちらに掲載しています
https://www.ngo-jvc.com/jp/projects/iraq/イラクの活動への募金にご協力ください
(緊急支援を含め、イラクの活動全体に活用されます)
https://www.ngo-jvc.com/jp/perticipate/fundraise/
※「イラク事業支援」と明記下さい